ガン薬物療法③

超高額 【\3,349万円!】の抗がん剤

治療抵抗性のがん患者に対する、
新しいがん治療法として
今年になり医療保険の対象となった薬。
CAR-T療法新薬キムリア

再発または難治性の白血病患者のうち
年間216人程度とされる、25歳以下の
患者を対象とする治療法です。

若くしてガンになり未来をうばわれそうな
患者への療法です。
そのために国もお金を使おうということです。

 

米国では\5000万円、欧州¥4000万円の値がついている
CAR-T療法新薬キムリア

いったい、どんな薬なのか?
知りたいと思いませんか?

研修会では、これも勉強しましたので、
シェアさせて頂きます。

1.CAR-T療法新薬キムリアとは、

患者さんの、身体からT細胞を採取して

それで、遺伝子の組み換えをして、
ガンをバシバシやっつけるT細胞を作りだして、

患者さんの身体に投与(注射でもどす)、
遺伝子組み換えられたT細胞が、
ガンをどんどんやっつけるので治るという薬!!でした。

 

ガン患者さんの血液からT細胞をとりだして、アメリカ合衆国のニュージャージー州の製造施設に輸送します。

 

製造施設で遺伝子の組み換えをして、
T細胞にB細胞(細菌を攻撃する免疫細胞)
を埋め込み、

キメラ(異なった遺伝情報を持つ細胞が混じっていること。)をつくり増殖させる。

製造施設から患者の待つ、病院に運ぶ。

点滴で患者に投与する。

投与された、キメラ細胞がガン細胞を攻撃し破壊する。

副作用を管理して、患者観察。28日後には退院が可能になる。

すごい薬です。患者さんの細胞からつくりだす薬なのですね。

患者自身の細胞を変化させて、ガンをやっつける薬にするってびっくりですね。

しかし、副作用ってあるのかな。どうなのでしょう。

 

2.CAR-T療法新薬キムリアの副作用は手強い。

投与患者の1/4が集中治療室に入室します。

主な副作用の症状

神経毒性 (・失語症・せん妄・振戦・平衡失調・てんかん発作・鈍麻) 等

サイトカイン放出症候群 (・発熱・頻脈・低血圧・低酸素血症・心収縮能低下
腎機能障害・肝酵素上昇 )等

 

上にあげた症状は回復しますが、免疫反応に起因する全身症状があらわれることがあります。

なお、薬が完全に効果を発揮すると、             投与後一年の生存率は80%以上です。

 

新薬で新しい治療法ですが、やはり、問題点も指摘されます。

 

3.CAR-T細胞療法の問題点

①副作用管理

②再発

③長期的安全性

④技術や物流の問題
アメリカでしか作れない。T細胞をおくって帰ってくるまで3~5週間かかる。

⑤高コスト(一回あたり ¥3,349万円)

➅適正な患者選択、現在の適応患者は年間250人と推定されている。

 

副作用が強い。投与までに時間がかかる。       高コスト。が大きな問題です。

 

4.医学の進歩につれて、より最新の治療法が開発される。

CAR-T細胞を本人のT細胞から作るのでは、

 

輸送に時間がかかりすぎるので、ドナー(他者)のT細胞からできるようにしようとか、
ゲノム情報を解析したら、もっと有効な治療手段がないだろうかとか研究中です。

 

もう、人の境域から、神の境域に入ってしまうじゃないか。
医学の倫理との兼ね合いはどうかとの議論もでます。

 

臨床現場でのゲノム解析が

ガン、遺伝性腫瘍、難病、認知症、感染症の    治療や予防に応用される日が近いです。

ゲノム解析がサイエンスの世界から医療へ影響を及ぼします。

 

それが、遺伝性の病気の家系などの人権をどう保護するという、

新たな課題になり、個人情報の管理が重要となります。

 

5.主治医と重要な会話をするときが、いずれは来る。

しっかり、説明を受けるには、患者側にも心得がいります。

 

救いたい命はあるし、人生を諦めたくないのも人間でしょう。
生に対する、執着は、なかなか、ぬぐえないものであることも事実です。

 

医学、専門用語はわかりやすい言葉に置き換えてもらうことが大事です。
医療関係者はふだん使い慣れているので、私たちの理解しにくい
言葉でついつい説明することがあります。

 

今やガンにおいて、

告知が前提となってきました。
本人がすべて選択する時代です。

 

悪い知らせを聞くわけですから、
医師とのいいコミュニケーションが大切です。

 

コミュニケーションにギャップがあると、治療の選択にも支障がでます。
不必要に感情的になっては、判断することは困難になってしまうでしょう。

 

医療との信頼関係が大切になってきますが、
高度な治療とはいえ、なにもかも

【おまかせ】主義では
望む治療につながるとも限りません。

 

 

自分はこうありたいということを、
しっかり伝えましょう。

6.終わりに

普段よりの医師との対話のコツ
【あ・い・し・め・せ】をシェアします。

 

 … あいづちをうつ。聞いていることが医師につたわるように、「なるほど」「そうですか」など、あいづちをうつ。

 … 医師も人間。「先生、母が、お世話になり有難う」など、ほめる。ねぎらいの言葉。

ほめられて誰でも悪い気はしない。医師との距離を縮める。

し … 「風邪です。」など病名を患者側から言わない。診断をするのは医師の仕事です。

 … メモをとる。医師もメモをとっていたら、うかつな説明はしない。わかるまでききましょう。

 … 病院は、患者さんの病気しかわからない。普段どんな生活だったのか。どういう考えの人なのか、患者さんの人となりを伝えましょう。

 

過去記事もあわせてお読みいただけると、
最近のガン治療についての全体がお分かりいただけると思います。

こちらから、ご覧になれます。

↓  ↓  ↓  ↓

ガン薬物療法① 標準治療とは

ガン薬物療法② 免疫療法とは

 

 

 

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ガン薬物療法③” に対して3件のコメントがあります。

  1. うめ より:

    あ・い・し・め・せ仰る通りですね。いいことを教えて頂きました。ガン治療って本当に進んでいるのですね。実母のときと義母のときも進んでいるな~と思っていましたが…
    いろいろな問題点もあるようですが、患者さんや誰もが笑顔になって欲しいです。

    1. yoppi より:

      訪問ありがとう御座います。

      医療や介護の研修に行く事が多いので、良質な情報あればシェアさせていただきます。

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