一番の方法はアクションリサーチ

袖井 孝子

お茶の水女子大学名誉教授、東京家政学院大学客員教授
NPO法人高齢社会をよくする女性の会副理事長
一般社団法人シニア社会学会会長
一般社団法人コミュニティネットワーク協会会長

専門は家族社会学、老年学、女性学。とりわけ老年期の家族関係
女性の老後、人生の最終段階における自己決定などに関心。
主な著書に『高齢者は社会的弱者なのか』(ミネルヴァ書房)
『女の活路 男の末路』(中央法規)
編著に『「地方創生」へのまちつくり・ひとつくり』(ミネルヴァ書房)など多数

1.発言要旨

支え合うコミュニティーの共創

共生社会が求められる理由

現実には核世帯、分断社会

経済的格差、ワーキングプア、下流老人、貧困女子、子供の貧困
無縁社会、孤独死、孤立死、寛容性にかける社会。
バッシング、ヘイトスピーチ、いじめ、がある。

また一方で貧困層が拡大している。
貯蓄0世帯が48%に出している。
特に単身世帯は貯蓄率が低い。
資産にも格差が広がっている。

家族と地域社会の変貌と新しいコミニティーへの期待をしている。

家族は規模が縮小し、昔からの3世代家族が減少した。

農村から都会家辺人口が移動した。
農業を中心とする、自営世帯からサラリーマン世帯に変わり
大家族が消滅していく。

その中で伝統的家族として、
生産、教育、消費、ケアなどの機能を家族内が持っていたのであるが、
近代家族として性別に役割が分業されるようになり、核家族化が進んだ。

核家族の中では
本質的な機能とされる、育児、看護、介護等のケア機能は
家庭内に残ったが女性の無償労働によって保たれた。


家族の意識が変化し、家族集団の維持を優先していたが、
今や個人の要求や価値が優先されるようになった。


地域社会においても変化があった。

昔は地理的に限定されたところで地域社会が成り立っていたが、
都市化、交通網や行動範囲の拡大、インターネットの普及などにより
地域社会は拡散し流動化した。

同じような人が同じような場所に住み
同じような行動すると言うことがなくなってきて
言語・文化・伝統・価値観・行動パターンが個々に
異質なものになってきた。

人間関係も変化して地域の中の強い絆が薄れ、
隣に住んでいる人が誰であるのかもわからない社会になった。

濃密な人間関係の中で、他者への強い関心があったが、
それが薄れると、ときには違うものへの敵対意識になった。

コミュニティーのあり方について
伝統的なコミュニティー地域共同体としての
村組織、地域的限定性があり住民が同質性で生活が共同。
強い連帯意識と助け合いはあるがよそ者は排除してきた。

個々から新しいコミュニティーと生まれ変わる必要がある。

それは地理的に限定されず、異質な他者のプライバシーと人権を尊重し
しかも強い連帯意識と助け合いを持てる社会が理想である。
その理想をどのように実現していくか。

1、住民主体

     住民のニーズ優先

     住民の参画

2、多様な主体との連携

      行政、企業 、労働組合、 地域団体 、NPO、ボランテイア団体など

3、ニーズの把握と合意形成

    地域課題の発見と分析

  地域包括ケアと新総合事業への期待と課題

誰もが安心して暮らし続けるまち作り、
支え合うコミュニテイーの共創をめざし、
物心両面におけるバリアフリー
ソフトもハードも優しいまちをつくりあげよう。

高齢者、障害者。生活困窮者、外国人に優しいまちづくりが求められる。

新総合事業のマイナス面は、
公助の後退。ボランテイアの強制であろう。

プラス面としては 互助の促進がある。
高齢者はサービスの受給者であり提供者として
社会を支える存在である。

高齢者のみでなく、障害者、生活困窮者、
外国人へ対象を拡大して、多様化した共生社会にしていこう。

 

そこにいたるプロセスこそが重要であり、
プロセスを大事にして結果を急いではいけない。


実現には、とても時間がかかることであるが、
着実にすすめていかねばいけない。

方法としてはアクションリサーチが有効な手段と思われる。
研究者が地域に入り、地域の住人と一体になって、
問題を解決していく手法であり、

研究がなされた結論をもって働きかけるスタイルと
異なり、住民参加の中での試行錯誤から結論、結果を
求めていく方法である。

多様性を認め合い、個々が個々としての価値を高め
認め合える、みんな違うがみんないい。という

味の違った野菜がまじりあってさらに美味しくなるような
いわゆる『サラダボウル』のような社会を形成することである。

 

2、この発言について

農村部と都市部や関西と関東など、
地理的にも、地域社会は個性があると思う。

しかし、近年、外国人の労働者が増え
また、その人たちが地域にねざして
生活していることも事実である。

労働人口が減少し、農村部の人口が高齢化に傾き
人口減少していることへの解決として
外国人研修生がきて、その労働力で農業が
かろうじて成り立っている現状もある。

フランス等、EU諸国でアラブ系住民のテロが報道されるが、
これも、移民を入れても、彼らに充分な権利保障を
あたえてこなかったEU諸国の政治問題であろう。
結果、貧困から抜けられない不満が宗教とからみ
テロリストになっていくのでないか。

外国人を受け入れるにあたっては、彼らの未来についても
思い描く、夢がかなう国であってほしい。

使い捨てのようなことがあれば、日本が今までに積み上げてきた
国際的な信用をおとしてしまうことになるだろう。

ひいては、日本の一番大事にしてきた

「平和」の維持に関わってくると考えている。

3、まとめ

情報化社会は日々進歩し、未来は誰でも簡単に情報を得ることが
できるので、つまらないごまかしが出来ない社会になるようになる。

 

心もオープンな、社会が実現してほしいものである。

相互に理解していく努力や、人間関係での距離のとりかたなど
学校教育というより、家庭教育でなされていた部分が
弱くなっていることが気がかりである。

 

人間関係について、歳をとっているから上手いというわけでもないが、
子ども達が、子どものころから、親・教師以外の大人と出会う機会が
必要だと感じている。

子どもの視野を広げて、世の中を見渡す力をもってほしい。

 

次回は第四パネリストの発言をお伝えします。

第一パネリストの発言はこちらから

第二パネリストの発言はこちらから

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一番の方法はアクションリサーチ” に対して6件のコメントがあります。

  1. セフィママ より:

    サラダボウルのような世界!
    みんな個々に味は違うけと、良いところを引き出そうですね!

    1. yoppi より:

      みんな違ってみんないい。が学校にあれば、いじめもないかもね!

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